【シンザン記念】差し有利も現時点での能力を最重視 京大競馬研の本命はモノポリオ

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数々の名馬を輩出してきた出世レース
1月12日(月)にシンザン記念(GⅢ)が行われる。昨年は中京での代替となったが、今年は京都競馬場に戻る。過去にはアーモンドアイ、ジェンティルドンナといった名馬を輩出している出世レースだ。今年もここから大舞台に羽ばたこうとする素質馬16頭が揃って混戦模様。一頭一頭のポテンシャルを丁寧に見抜いていきたい。
以下では、本レースが行われる京都芝1600mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
速いペースの割に馬群が凝縮
まずは京都芝1600m(外回り)のコース形態をみる。向正面の2コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約700m。向正面半ばから徐々に坂を上り、3コーナーで頂上を迎え、4コーナーにかけて下る。最後に約404m(Aコース使用時)の平坦な最終直線を駆け抜ける。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは、初角までが約700mとかなり長い点だ。先手争いは長引き、序盤のペースは上がりやすい。その後も3コーナーからは下り坂となるため、ここでもペースが締まる。スタートからゴールまで淀みないラップが続く、かなりタフなコース形態だ。
序盤、中盤で淀みないラップを刻むため先行負荷が大きい。また、開幕二週目の比較的キレイな馬場で後続も脚を使わずに追走でき、速いペースの割に馬群が凝縮する。先行勢が十分なリードを築けない状態で最終直線を向かえることが多い。
先行勢が粘り込むには、3〜4角でリードを保つための早仕掛けから持続力勝負に持ち込むしかない。しかしそれまでの先行負荷もあり、持続力勝負を得意としていない馬や、地力のない馬は直線半ばでいっぱいになる。
したがって、中団〜後方を追走した、地力の高い差し脚確かな馬が順当に好走しやすい。これがこのコースが持つレースの質だ。
馬券内30頭中26頭が上がり5位以内

<シンザン記念 上がり3F5位以内馬の成績>
【9-9-8-27/53】
勝率17.0%、連対率34.0%、複勝率49.1%、
単勝回収率149%、複勝回収率184%
※京都開催の直近10回
この傾向は数字にも表れている。シンザン記念における上がり3F5位以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。勝ち馬10頭中9頭、連対馬20頭中18頭、馬券圏内30頭中26頭を該当馬が占めている。いかにメンバー上位の末脚をスムーズに使うことができるかが好走の鍵となってくる。
ただ、後にGⅠを複数勝つような馬と、1勝クラスに留まってしまう馬がぶつかり得るのが、キャリアが浅い時期の世代限定重賞だ。メンバー間のポテンシャルの差は顕著で、適性の差は能力で容易にひっくり返る。したがって、差し脚確かな馬が有利というポイントを押さえつつも、現時点での能力を最も重視して印を打っていきたい。
先行馬揃い先行負荷「大」
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が11頭と出走馬全16頭に対して多い。多くが2歳戦らしいスローペースで先行してきた馬とはいえ、ここまで揃うと前述のコース形態と相まってハイペースが想定される。先行負荷はそれなりに大きいだろう。
この展開で恵まれるのはやはり中団〜後方を追走した、地力の高い差し脚確かな馬だ。高い瞬発力を持つ馬がポテンシャルを最大限に発揮しやすい。また、ハイペースで馬群が長くなることが想定され、最後方から直線だけで一気に差し切るのは余程の地力の高さがなければ至難の業だ。最低限の追走力は持っておきたい。
<シンザン記念 4角10番手以下馬の成績>
【1-3-2-37/43】
勝率2.3%、連対率9.3%、複勝率14.0%、
単勝回収率63%、複勝回収率103%
※京都開催の直近10回
ただ、シンザン記念では4角2桁順位だった穴馬の激走がしばしば見られる。2年前の17番人気ウォーターリヒト(昨年に同舞台のGⅠ・マイルCSで3着)の3着激走が記憶に新しい。8番人気以下の4頭を含む6頭が好走している。
展開的に追走力があるに越したことはないが、追走力不足だけでは切れない。やはり適性や展開、脚質の有利不利をポテンシャルが軽く凌駕してしまうのがこの若駒重賞だということを再度念押ししておきたい。
キャリア2戦どちらも高評価
◎モノポリオ
前走のアイビーSは1000m通過60.3秒のミドルペースを5番手で追走。スムーズな追い出しから勝ち馬と同じ上がり3F33.6秒の脚を使い0.4秒差3着。上位2頭とは遜色ない末脚で、直線に向いた時点でのポジション差が響いた敗戦だった。また、馬体重+20kgのベストとはいえない仕上がりで能力の高さを証明した。
東京芝1800mの2歳戦において「勝ち時計1:46.8以内」かつ「上がり3F33.6秒以内」で勝利した馬はこの時の勝ち馬アンドゥーリル以外にGⅠ馬コントレイル、イクイノックス、クロワデュノール、マスカレードボール、同期パントルナイーフの5頭のみ。GⅠ級の時計と上がりを加速ラップで記録した勝ち馬だけでなく、同じ上がりで0.4秒差まで迫った本馬も間違いなく世代上位の実力がある。
2走前の新馬戦もミドルペースを好位で追走。楽な手応えから上がり3F34.0秒の脚を使い、2着に0.4秒差をつけて快勝した。勝ち時計1:47.8は東京芝1800mの2歳6月新馬における歴代3位の好時計。負かした11頭のうち5頭が次走以降勝ち上がり、オープンや1勝クラスの好走馬も出ているハイレベル戦だった。
キャリア2戦をどちらも高く評価でき、今回のメンバーではポテンシャル最上位だ。追い切りの内容からも、馬体重+20kgの前走から状態を上げてきており上積みに期待できる。C.ルメール騎手の継続騎乗も大きなプラス材料だ。
追走力は十分で、想定されるハイペースの差し有利な展開も向く。中団の後方からスムーズに追い出し、持ち前の末脚を発揮できれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。
◯ディアダイヤモンド
新潟芝1600mの2歳未勝利戦は基礎スピードの違いからハナを取り、スローペースで逃げる競馬。そのままスムーズに追い出し、ラスト3F11.3-10.6-11.0の優秀なラップで上がり3F32.9秒。2着に1.2秒差をつけ快勝した。ただし2着以下が次走以降振るわず、着差は度外視だ。
この週行われた新潟の2歳戦で上がり3F32.9秒以内の脚を使ったのは他にゾロアストロ(サウジアラビアRC3着、東スポ杯2着)、フィロステファニ(アルテミスS1着)ら3頭のみ。かなりの高速馬場だったとはいえ、4頭が走った3戦全てが似たようなスローペースの瞬発力戦であり、本馬が馬なりで繰り出した上がり3F32.9秒は高く評価できる。
乗り替わりにはなるが、新馬戦で一度乗っている武豊騎手なら問題ない。自然と差しに回る形で強烈な末脚を発揮すれば好走可能と見る。
▲アルトラムス
キャリア1戦1勝の素質馬。新馬戦は前半600m34.6秒の比較的流れたペースを8番手で追走。外に持ち出して進出していき、加速ラップを上がり3F34.6秒の末脚で差し切った。2着に0.5秒差をつけて快勝した。
デビュー戦から比較的流れたペースで中団につけられる追走力と、道中鞍上に反応して動いていける機動力、最後まで加速できる末脚の持続力を見せ、ポテンシャルの高さを証明した。時計、後半ラップともに優秀で、次走以降上積みに期待できる一戦だった。デビュー戦から多頭数を経験できているのも大きなプラス材料だ。
今回は内回りから外回りに替わる。前走以上により長く末脚を伸ばすことができればチャンスがある。
△クールデイトナ
好位から常に堅実な末脚を使えるのが強み。中京で2勝しているが、末脚の持続力は京都外回りでも生きるはず。中団前目から早めに抜け出す競馬が理想。
×サウンドムーブ
距離短縮で末脚上位。今回予想されるハイペースなら、前走で超ハイペースを先行し、メンバー上位の末脚を使って勝った経験が生きる。中団前目から粘り強さを発揮できれば。
×サンダーストラック
こちらも距離短縮で、上位の末脚が使える馬。新馬戦は高い機動力と末脚の持続力を発揮した。黄菊賞は距離延長で敗れたが、ホープフルS4着アーレムアレスとは0.5秒差。再度距離を戻し、高いオッズ妙味が見込まれる。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。
▽シンザン記念予想▽
◎モノポリオ
◯ディアダイヤモンド
▲アルトラムス
△クールデイトナ
×サウンドムーブ
×サンダーストラック
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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