【シンザン記念】1戦1勝アルトラムス、牝馬のディアダイヤモンドが中心 人気の盲点ならクールデイトナに注目

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注目はキャリア1、2戦
世代限定マイル重賞といえば、3週前に朝日杯フューチュリティステークスが終わったばかり。世代トップのマイラー候補は2歳GⅠに向かうため、シンザン記念は毎年、その下に位置する馬たちが中心を担う。
同時に前走・朝日杯FS組も人気を集める傾向があり、昨年1番人気2着アルテヴェローチェは朝日杯FS1番人気5着からの参戦だった。この2着の解釈は分かれる。好走ともとれるが、勝てなかったという事実を重視するのか。
実際、前走・朝日杯FS組は過去10年【0-2-2-11】複勝率26.7%と勝ち馬を出せていない。今年は12着に敗れたカクウチが参戦予定。果敢に先行し、12着。GⅠは厳しかった。
例年、この手の臨戦過程は苦しい結果が多い。ただし、一転してマイペース先行が叶えば一変もあり得る脚質であり、データの傾向から人気に推されないようなら、むしろ狙ってもいい。
まだまだ脚質も番付も定まらないこの時期、買う材料はいくらでもある。データは2021~23年と2025年の中京開催も含めた過去10年分を使用する。

1番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%とやや頼りなく、2番人気【2-2-2-4】勝率20.0%、複勝率60.0%や3番人気【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%に4番人気【3-1-2-4】勝率30.0%、複勝率60.0%など、その下の人気馬たちがよく走る。
上位4頭の力差はほぼなく、そのなかでちょっとしたプロフィールで1番人気に推されるため、案外人気に応えられない。やはりこの時期の人気はあてにならない。また、8番人気【2-1-0-6】勝率22.2%、複勝率33.3%や10番人気以下【0-1-3-44】複勝率8.3%といった人気の盲点も存在する。先入観なく一頭一頭を分析しよう。

キャリア別では1戦【4-2-0-15】勝率19.0%、複勝率28.6%や2戦【4-2-2-23】勝率12.9%、複勝率25.8%とキャリアが浅い馬たちの好走が目立つ。
3戦は【0-2-1-26】複勝率10.3%でそれ以上は好走確率が下がるものの、キャリア4戦は【1-2-5-20】勝率3.6%ながら複勝率28.6%で3着馬の半数を出しており、キャリア2戦以下の組だけで馬券を構成するのは危ない。
馬券的に面白いのはクールデイトナ
新馬勝ちからは、京都マイルの新馬を勝ったアルトラムスに注目。2戦からはアイビーS3着の関東馬モノポリオや、京都2歳S7着バルセシートなどが出走予定。データでしっかり取捨選択しよう。

前走・新馬1着の1戦1勝馬の評価は新馬戦の上がり順位で判断する。上がり最速だと【3-1-0-9】勝率23.1%、複勝率30.8%で2位も【1-1-0-1】勝率33.3%、複勝率66.7%と好走する一方、3位以下は【0-0-0-5】。上位の末脚がなければ通用しない。アルトラムスは上がり最速で新馬を勝っており、条件を満たす。

キャリア2戦のなかでは牝馬のディアダイヤモンドが注目を集めそうだ。
前走は夏の新潟芝1600mの未勝利を勝ったが、キャリア2戦の牝馬は【2-0-0-3】。サンクテュエールがアルテミスS2着から、アーモンドアイが秋の東京未勝利勝ちからここを突破した。似た臨戦過程であることを強調されるのも人気に推される材料になりそうだ。
ただ、未勝利勝ちから間隔をとってここを突破するのは容易ではない。名牝と肩を並べるだけの素養があるか。あらゆる角度から冷静に判断したいところだ。
前走・重賞【1-1-1-4】勝率14.3%、複勝率42.9%は5着以内【1-0-1-1】に対し、6着以下だと【0-1-0-3】。キャリア2戦目で重賞通用のメドを立てるほどの実力がないと厳しい。
前走・1勝クラスは【2-0-0-6】勝率、複勝率25.0%。こちらは1400mだと【2-0-0-2】。2000m経由は出走がなく、黄菊賞5着サンダーストラックはデータ上ではなんともいえない。
黄菊賞は前後半1:01.5-59.8でそこまで強調できるものではない。サンダーストラックは3コーナーから追いあげるも、差を詰め切れず、直線で後退した。内回りが合わなかった可能性や距離適性など敗因はさまざま考えられる。
前走未勝利は【1-1-1-13】勝率6.3%、複勝率18.8%。こちらは前走マイルだと【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%と確率があがる。ディアダイヤモンドが当てはまる。
前走は逃げて前後半800m50.6-45.3の超スローペース。ラスト600mラップは11.3-10.6-11.0。逃げてこのラップを刻み、7馬身差は合格といえるものの、時計が出やすい夏の新潟だった点を考慮しないといけない。2着以下から勝ち馬が出ていないのも気になる。

最後にキャリア3戦以上の前走クラスを調べる。こちらは前走1勝クラス【2-3-3-22】勝率6.7%、複勝率26.7%。このうち前走1600mだと【2-2-1-9】勝率14.3%、複勝率35.7%。1着馬だと【0-2-1-4】複勝率42.9%で2~4着は【2-0-0-3】。こうやまき賞を勝ったクールデイトナは馬券にきっちり入れておきたい。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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