【フェアリーS】1番人気が近10年0勝の難解レース 傾向からはアーリーハーベストが浮上

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混戦の3歳牝馬重賞
東西金杯が終わると、3歳クラシック戦線が本格化。牝馬は中山のフェアリーSから始まる。
ちなみに午年の牝馬クラシックの過去をさかのぼると、2014年は桜花賞ハープスター、オークスはヌーヴォレコルト、秋華賞ショウナンパンドラ。その前の2002年は桜花賞アローキャリー、オークスはスマイルトゥモロー、秋華賞ファインモーション。ここ2回は三冠を3頭がわけあった。さて今年の牝馬三冠戦線はどう展開するだろうか。
フェアリーSは長い間、桜花賞とつながらない重賞とされてきたが、昨年の勝ち馬エリカエクスプレスは桜花賞5着、秋華賞2着と三冠で好走できた。これまでのイメージを改めるときが訪れたのではないか。
エリカエクスプレスのフェアリーSは前後半800m45.5-47.3。豊かなスピードをみせた。ハイペースを好位から抜け出す。そんな勝ち馬があらわれたら、春まで忘れずにマークしよう。
ここからは過去10年分のデータを使用し、今年のフェアリーSを展望する。

人気別では、1番人気【0-2-0-8】複勝率20.0%に対し、2番人気【2-0-0-8】勝率、複勝率20.0%、3番人気【4-0-0-6】勝率、複勝率40.0%なので、荒れるというより、馬券を買う側がつける序列がアテにならないといった感じだ。それも2、3番人気は1着か着外か。
つまり、2、3着に人気薄が滑り込む可能性は極めて高い。6番人気【0-2-2-6】複勝率40.0%、7番人気【0-2-4-4】複勝率60.0%など伏兵に注意が必要だ。さらに10番人気以下【2-1-0-65】勝率2.9%、複勝率4.4%と大穴の一撃まである。

キャリア別では2戦が【6-4-3-41】勝率11.1%、複勝率24.1%と抜けている。2歳重賞でよくみられる傾向と同じで、新馬を勝ち、1勝クラス以上を一度経験してここに出走するというローテーションがいい。
ほかは1戦【1-0-4-18】勝率4.3%、複勝率21.7%、3戦【1-3-1-25】勝率3.3%、複勝率16.7%など大きな差はなく、5戦も【1-2-1-11】勝率6.7%、複勝率26.7%と侮れない。2戦とそれ以外。簡単に構図をつくるならそんな形だろうか。
むしろ中山向きのアーリーハーベスト
キャリア2戦はこうやまき賞2着アーリーハーベスト、京都で未勝利を勝ったヴィスコンテッサなど多彩。ひと口にキャリア2戦といっても色々なケースがある。傾向をしっかりつかもう。

キャリア2戦組の前走に注目する。前走未勝利【4-1-0-14】勝率21.1%、複勝率26.3%、1勝クラス【0-3-0-11】複勝率21.4%に対し、重賞は【2-0-2-14】勝率11.1%、複勝率22.2%。重賞経由だからといって結果を残せるとは限らない。この重賞の難関な部分はここにある。

主に未勝利、1勝クラス経由が該当する昇級馬、ないし格上挑戦の馬について距離の分布をみる。前走1600mは【3-2-1-10】勝率18.8%、複勝率37.5%と優勢。延長組は【1-1-0-11】勝率7.7%、複勝率15.4%なので、下のクラスから参戦する馬は前走マイル組に注目だ。
今年はアーリーハーベスト、マカレイなどが当てはまる。アーリーハーベストの前走こうやまき賞は、牡馬相手のレースで2番手から0.2差2着。勝ったクールデイトナ(シンザン記念出走予定)には完敗だったが、内容は悪くない。
スローペースでラスト600m11.7-10.9-11.0と上がりが速い競馬だったので、中山で少し上がりがかかった際にどんな反応を示すだろうか。父アドマイヤマーズはダイワメジャー産駒らしい持続型で、母の姉ムーンライトクラウドはモーリスドゲスト賞3連覇などマイル以下のGⅠ・6勝の名牝。むしろ持続力勝負は歓迎ではないか。

キャリア3戦以上についても傾向は2戦とほぼ変わらない。前走未勝利【0-0-3-16】複勝率15.8%、1勝クラス【2-6-0-32】勝率5.0%、複勝率20.0%に対し、オープン・L【0-0-0-5】、重賞【1-0-0-15】勝率、複勝率6.3%。この時期の非トライアル重賞ではレースの格は気にしなくていい。重賞組が人気に推されるようなら、むしろ逆転の可能性にかけよう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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