SPAIA競馬
トップ>ニュース>【ニュージーランドT回顧】レザベーションが示した種牡馬ダノンプレミアムの可能性

【ニュージーランドT回顧】レザベーションが示した種牡馬ダノンプレミアムの可能性

2026/04/13 11:05
勝木淳
2026年ニュージーランドT、レース結果,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

光った競馬センス

NHKマイルカップトライアルのニュージーランドトロフィーはレザベーションが制し、重賞初制覇。2着ロデオドライブ、3着ジーネキングで決着した。

1週前にチャーチルダウンズCがあるせいか、なかなかメンバーがそろわない感があるニュージーランドTだが、その分遅れて台頭してきた組にとって大いなるチャンスといえる。

勝ち馬レザベーションは競走中止の新馬戦を含むキャリア5戦目で未勝利を脱した直後に、重賞タイトルとNHKマイルCへの優先出走権を獲得した。4戦目の年明け初戦から2着、1着ときて、今回も1着。マイルにターゲットを定めてから一変した。

この日のレース内容もいかにもマイラーらしく、スタートを決め、序盤でダッシュよく逃げ馬の背後を確保し、終始優位な立場でレースを進めていった。序盤のスピードと立ち回りは見事だった。

内枠を利したソツのない立ち回りはこの手の混戦では有効で、さらに先手をとったのがヒズマスターピースだったのも味方した。外枠から少々、強引にハナを狙うような馬が出ず、隊列が内枠中心にまとまったため、リズムを乱される場面がなかった。

中山芝1600mコースはスタート直後に迎える外回り2コーナーで接触するなど、馬にスイッチが入るリスクが高い。外枠勢が押し寄せることで起きやすい現象だが、それがなかった。

ヒズマスターピースは前走クイーンCで緩い逃げを打っており、このリズムは崩したくない。これも番手を進むレザベーションに味方した。前半800m通過は47.3。特にレースが落ち着く600m通過後は11.9-11.7。先行集団は体力を削りすぎることなく、勝負所を迎えた。

序盤、終盤における原優介騎手のヘッドワークも冴えた。ヒズマスターピースを早々にかわさず、仕掛けを待っていたら、ロデオドライブに差される場面もあったのではないか。


種牡馬ダノンプレミアムの可能性

レザベーションの父はダノンプレミアム。9年前に3連勝で朝日杯フューチュリティSを制した天才肌のマイラーだ。弥生賞も制し、皐月賞最有力の評価を受けるも、挫石で回避。ダービー6着の後、古馬になってからもGⅡ連勝、GⅠで2着2回に豪州のクイーンエリザベスSでも3着とマイルから中距離で能力を発揮したものの、挫石による皐月賞回避が歯車を狂わせた感もある。

結局、GⅠタイトルは2歳時のひとつだけ。早熟っぽい経歴になってしまったが、実際はそうではない。むしろ距離適性を広げるなど成長力もあった。この世代が初年度産駒なのでサンプルは多くないが、4月5日までのデータをみると、芝9勝、ダート4勝。新馬は1勝止まりで、未勝利10勝に1勝クラスも2勝を挙げている。

距離も1600m3勝、1400m4勝、1200m2勝に対し、1800m以上で3勝。天才肌の面より、距離適性の幅や使われながら強くなる伸びしろを感じる。父とは違うイメージを抱くが、ダノンプレミアムは産駒に似た馬だったのではないか。

そう考えると、現状はマイラーっぽいレザベーションも今後、可能性を広げてほしくなる。牝系にはプレノタート、セクシーココナッツと中距離タイプが並ぶ。ダンスインザダーク、ジャングルポケットと中長距離志向の種牡馬も配されており、とてもマイラーとは思えない。

生産者の松田牧場はケイアイエレガント、メイショウチタン、カルチャーデイなど2桁人気で激走する穴馬を多く生産した。意外性を秘める個性派の系譜にあり、レザベーションの単勝4350円も納得。将来、もっと大きな配当をもたらすかもしれない。穴党は目を離さない方がいい。


控えて好走したジーネキング

2着ロデオドライブは連勝の内容が濃く、1番人気に推された。その評価に違わぬ走りはみせたのではないか。

レザベーションを追い詰める直線の脚は迫力を感じた。内に切り返しながらもきっちり伸びており、能力は高い。いかにも中山向きの一瞬の切れをもっており、今後は持続力勝負への対応がカギになるだろう。

3着ジーネキングは京成杯で逃げを打つなど、基本は逃げ先行のスタイル。今回はマイル戦でもあり、あえて控える策に出て、末脚に転化できたのは収穫だった。

道中は馬の後ろで我慢することに対し、かなり戸惑っていたようにみえたが、それでも3着に食い込めた。慣れないスタイルであっても途中で投げ出さない精神的なタフさも評価できる。世代限定戦ではここは強みであり、混戦での一発に期待したい。


2026年ニュージーランドT、レース回顧,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。

《関連記事》
【ニュージーランドT】結果/払戻
【ニュージーランドT】前走GⅢ組は着順で明暗分かれる 中山マイル連勝のロデオドライブに期待
牝馬限定重賞は「単複回収率100%超」ルメール騎手におまかせ 芝マイルで狙える条件を検証