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【有馬記念】4角4番手以内が過去10年で8勝 京大競馬研の本命はミュージアムマイル

2025/12/28 06:00
京都大学競馬研究会
有馬記念過去10年の4角4番手以内馬の成績,インフォグラフィック,🄫SPAIA

ⒸSPAIA

暮れのグランプリレース・有馬記念

12月28日(日)に有馬記念(GⅠ)が行われる。今年もあっという間に中央競馬の一年を締めくくるグランプリレースがやってきた。メンバーは昨年の優勝馬レガレイラ、今年のドバイSC勝ち馬ダノンデサイル、皐月賞馬ミュージアムマイルをはじめ、日本競馬を代表する実力馬16頭。どんなドラマが待ち受けているのか大注目の一戦だ。

以下では、本レースが行われる中山芝2500mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。

前を取れる先行力と機動力がカギ

まずは中山芝2500mのコース形態をみる。外回り3コーナー手前からスタートし、初角までの距離は約190m。正面スタンド前で急坂を一度越える。その後は内回りに入り、道中は起伏がありながら、平坦な3~4コーナーを回って主要4場の中で最短となる310mの直線を迎える。ゴール前には再度、高低差2.4mの急坂がある。コーナー6回、急坂2回のタフなコースレイアウトだ。

まず注目すべきは初角までの距離が約190mとかなり短い点だ。序盤の先手争いは長引きにくく、ペースは上がりにくい。また、序盤のポジション争いでは内枠有利、外枠不利である。コーナー6回で距離ロスが大きくなりやすい点でも外枠は不利になる。

道中は淡々と進み、ペースが上がるのは3コーナー手前から。序盤、中盤で脚を溜めた先行勢が一気に加速していく。後方勢が直線に入るまでに先行勢とのポジション差を埋めにくい。最終直線も310mと比較的短く、最後に急坂があって上がりでも大きな差が生まれにくい。

したがって、道中は内でロスなく脚を溜め、なるべく前のポジションで直線を迎えられる器用な先行馬や機動力の高い馬が恵まれやすい。これがこのコースのレースの質だ。

最終直線までに前に

有馬記念の4角通過順別成績,ⒸSPAIA


<有馬記念4角通過順別成績>
4番手以内
【8-3-5-30/46】
勝率17.4%、連対率23.9%、複勝率34.8%、
単勝回収率111%、複勝回収率84%
※過去10年

この傾向は数字にも表れている。有馬記念における4角4番手以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。勝ち馬10頭中8頭が4角4番手以内で通過していた。

上記のうち1~4枠
【5-2-3-15/25】
勝率20.0%、連対率28.0%、複勝率40.0%、
単勝回収率175%、複勝回収率110%

これを道中ロスなく脚を溜められる内枠の馬に限定すると数字はさらに上昇する。やはり4角時点で前にポジションを取れているかが重要な要素だ。

ただ同時に、該当馬が馬券内を独占するほどでもないことは押さえておきたい。あまりに適性不足でなければ、ロングスパート戦で地力の高い馬が能力を順当に出しやすい条件である。このことも念頭において展開予想をしていく。

3歳馬の斤量アドバンテージが生きる展開

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が8頭と出走馬全16頭に対して多い(※アドマイヤテラは京都大賞典の通過順でカウント)。

メイショウタバルが天皇賞(秋)のスローペースで折り合えたとはいえ、大幅な距離延長でテンの速いエルトンバローズが主張してくれば、1000m通過60秒前後の引き締まったペースで流れるだろう。

この展開で恵まれるのは、序盤~中盤に中団で脚を溜め、道中動いていける機動力の高い馬だ。3コーナー中団の外目からスムーズに追い出す形がベスト。引き締まった展開とはいえ、前述のコース形態を考えれば、先行勢が大崩れするほどではない。直線だけで最後方から一気に差し切ることは相当に高い地力がなければ至難の業だ。

また、軽斤量の3歳馬はスタートで有利になりやすく、相対的にポジションを取りやすい。コーナー6回、急坂2回のタフなコースレイアウトで道中のダメージを抑えられる点で斤量の恩恵はより生きる。

3歳馬の成績
【5-2-3-16/26】
勝率19.2%、連対率26.9%、複勝率38.5%、
単勝回収率103%、複勝回収率93%
※過去10年

有馬記念における3歳馬の成績は上記の通り優秀だ。特に近年はイクイノックス、エフフォーリアと天皇賞(秋)で古馬相手に実力を証明した馬が好走している。これらの点も踏まえて印を打っていく。

高い機動力と持続する末脚で古馬GⅠ制覇へ

◎ミュージアムマイル
マスカレードボール、クロワデュノールと並ぶ現3歳世代屈指の実力馬。

天皇賞(秋)は1000m通過62.0秒のスローペースを9番手で追走し。スムーズな追い出しで勝ち馬マスカレードボールと同じ上がり3F3位32.3秒の末脚を使い0.1秒差2着。3歳ワンツーを決め、国内最上位の古馬相手に世代の強さを証明した。勝ち馬は次走レコード決着のジャパンCで世界最強馬カランダガン相手にタイム差なしの2着。その馬に近い内容で0.1秒差に迫った本馬も間違いなく日本最高峰の地力を持つ。

2走前のセントライト記念は中山で高い機動力と持続する末脚を発揮した一戦。向正面で自ら動いていき、大外を回して楽な手応えから格の違う末脚で快勝した。これまでの勝ち鞍は全て右回り。マスカレードボール、クロワデュノールを抑えて皐月賞を制したように、機動力と末脚の持続力が生きる中山はベストに近い舞台だ。

唯一の不安要素とされているのは距離。鞍上のコメント通り、ベストは確かに2000mであるものの、日本ダービーの敗戦だけで2400m以上は厳しいと決めつけるのは早計だ。近年でもかなりレベルの高い現3歳世代で最上位の実力があり、斤量のアドバンテージ、2枠4番の絶好枠、高い中山適性、C.デムーロ騎手の継続騎乗とこれでもかとプラス材料が揃っている。

そのプラス材料がありながら、たった一度2400mで負けたというだけで人気が落ちるならむしろオッズ妙味としてありがたく受け止めたい。持ち前の高い機動力と持続する末脚をスムーズな追い出しから発揮できれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。

◯レガレイラ
昨年の有馬記念勝ち馬。前走のエリザベス女王杯は中団からの競馬。1000m通過59.9秒の差し有利な展開が向いたとはいえ、4角8番手から上がり最速の脚を使い、2着に0.3秒差をつけた。着差以上に力の差を感じる内容だった。

2走前のオールカマーも1000m通過59.9秒のややハイペースを8番手で追走。道中自ら動いていく機動力を見せ、上がり最速の脚を使い快勝。宝塚記念での敗戦から一転、近2走はグランプリホースらしい力強い競馬で勝っている。

懸念点をあげるとすればスタート。昨年はエリザベス女王杯でスタートの改善が見られ、有馬記念では序盤からポジションを取れる先行力を発揮したが、それが上半期の休養で一度リセットしてしまった印象。といっても、3歳時のように最後方からということはない。中団の後方寄りで脚を溜め、鞍上の指示によく反応して道中動いていける機動力が今年の大きな成長ポイントだ。

近2走の内容から能力の衰えは全く感じず、今が全盛期と評価したい。3枠5番の絶好枠から道中は内目で脚を溜め、C.ルメール騎手の仕掛けで持ち前の機動力を生かし、位置を押し上げていけば、能力を最大限発揮できるとみて対抗とする。

▲ダノンデサイル
前走のジャパンCは国内最高峰の一戦。1000m通過57.6秒の超ハイペースで差し有利な展開が向いたとはいえ、4角9番手から上がり5位の脚を使い0.5秒差3着。レコード決着の中、世界最強馬カランダガン、現3歳世代の最上位馬マスカレードボール、クロワデュノールと僅差の競馬を繰り広げた。今回のメンバーで上位の地力を持つ。

昨年の有馬記念は絶対に逃げたいという馬がおらず、自然とハナを切る形になった。今年は中団の前目からの追走になりそうだが、内から先手を主張する馬がそれなりにいる。やや外目の枠ということもあり、道中のロスは多少ある印象だ。

それでも前走の内容を見れば大きく崩れるような相手関係ではない。追い切りから前走レコード決着のダメージも感じられない。得意な中山でのロングスパート戦で能力を最大限発揮すれば順当に好走してくる。

△エキサイトバイオ
菊花賞3着馬。1、2、4着に後方からマクってきた馬が来る中、先行して器用に内で脚を溜め、早め先頭から粘って0.4秒差3着。勝ち馬エネルジコはハイレベルな新潟記念で2着、2着エリキングは日本ダービーで上がり最速の脚を使い5着の馬で、相手関係からも評価できる一戦だ。

今回の1枠1番は安定した先行力のある本馬にとって絶好枠。初めての古馬GⅠとなるが、世代のレベルの高さ、内ラチ沿いでロスなく立ち回れる利、斤量のアドバンテージを考えれば、いきなり通用しても全く不思議ではない。オッズ妙味にも期待して相手に押さえる。

×メイショウタバル
恐らく今回の逃げ馬。引き締まった展開と予想はしたものの、8枠からエルトンバローズがどこまで主張するか分からない。3枠6番の好枠を引き当ててしまうのが武豊騎手。こうなってしまうと、残り目は押さえておかざるを得ない。

買い目は◎単勝1点、◎-◯▲馬連2点、◎-◯-▲△×3連複3点で勝負する。(花田)

▽有馬記念予想▽
◎ミュージアムマイル
◯レガレイラ
▲ダノンデサイル
△エキサイトバイオ
×メイショウタバル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。

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